
加藤桜老という名をご存知だろうか。
幕末の儒学者で、水戸学の礎となる尊王攘夷の思想をもつ笠間藩士であり、高杉晋作等多くの志士と交流し、時代の一つの流れを作った人でもある。
昨年11月に、笠間小学校正門脇にある桜老像の除幕式が行われた。長州藩から強く乞われ、明倫館の教授として赴任する途中、三条大橋から京都御所に向かって伏拝する姿で、端正で凛とした佇まいから、天皇を敬う桜老の深い思いが伝わってくる。
笠間史談会会長の南先生は、「桜老は、幼い時から勤勉で優秀でした。講師を務めた時習館跡の小学校に像が建てられたのも、子供達に学びの大切さを知ってほしいという思いからでしょうか。やはり、勉強は大事です」と静かに話される。そんな南先生の横顔が桜老と重なってみえた。
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