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井筒屋旅館7

 2011年3月、東北地方を中心に未曾有の大災害がおきた。東日本大震災である。笠間も震度6強が観測され、井筒屋旅館も瓦が崩れ落ち、客室が倒壊し大きな被害を受けてしまった。1階インフォメーションには当時の写真が残されており、今更のように悲しみと無常さが甦ってくる。

 そしてここに江戸時代から190年、19代に渡り続いた、井筒屋旅館も幕を閉じることとなった。稲荷講の頃、芸奴さん達の賑やかな城下町の頃、活気のあるつくば万博の頃、格式と品格をもち、旅人を温かく迎えつつ静かに笠間の歴史を見つめていた旅館は廃業することとなってしまった。

 それから約7年の時を経た2018年、井筒屋旅館は「かさま歴史交流館井筒屋」として生まれ変わることとなる。笠間の歴史の発信源として新たな役割を担うこととなったのだ。

 今、井筒屋旅館の名残の品々、例えば曳家工事をした大黒柱、大切にされていた紫檀の衝立、井形の囲炉裏、神棚、そのような物を見ていると、温故知新という言葉がふと頭をよぎった。


 かさま歴史交流館井筒屋での皆様との出会いの時間が、大切に丁寧に流れていくことをスタッフ一同、楽しみにしています。

昭和初期の井筒屋旅館


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