今から770年前の鎌倉時代建長6年(1254年)、
笠間城を築城した笠間時朝が、
下野国茂木小貫郷天皇森(てんのうもり)に鎮座していた
牛頭天王(ごずてんのう)社を笠間領地内の
石井村にある石井原天王塚に遷宮した。
その後、城下町の整備のために、
石井村の住民を大町に移住させ、牛頭天王も大町八坂神社に移した。
牛頭天王とは、悪疫を防ぐ神様。
そこで、病気平癒と領内の繁栄を願い、八坂神社から石井の天王塚まで、
牛頭天王が神輿で、町内渡しによって渡御するようになった。
それが現在の八坂神社祇園例祭の興りといわれている。
笠間の民話には、天王様がある町人の夢枕に立ち、
「年に1度ぐらいは石井の社に帰りたい」と訴えたことから、
里帰りのお祭りを行うようになった、と記されている。
井筒屋1階にあるパネル展示のコーナーに、
昭和初期の神輿渡御の様子を掲示されている。
井筒屋旅館の前を神輿を筆頭に長い行列が続いている。
かつては3日制だったが、現在は2日制。
時代とともに変遷はあったが、今でも笠間の夏を彩る行事であることに間違いない。
笠間の繁栄をいつまでも牛頭天王様に祈りたい。
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