NHKの大河ドラマ「光る君へ」は、平安時代の華やかな宮廷での物語である。
同じころ、今の関東地方や東北地方は、
豪族が武力で勢力を争う時代となっていた。
八幡太郎義家といえば、
源氏の武将で、後に鎌倉幕府を開いた源頼朝の祖先。
大軍を率いて蝦夷征伐したことで有名であるが、
その遠征から都へ帰る途中、
現在の笠間市安居のあたりにあった、あずま長者屋敷へ立寄ったという伝説がある。
長者は、蝦夷征伐の労をねぎらって義家一行を丁重に扱い、
ご馳走と豪華な酒、肴でもてなし、義家一行は上機嫌だった。
出発まぎわに雨が降り出すと、すぐに五万人分の雨具まで用意して差し出した。
義家は、その場で礼をいって出立したが、
このような豪族は、いずれ自分に災いを起こすかも知れない、
今のうちに滅ぼしておいた方がいいと思い、
引き返して、長者の家に火を放った。
豪勢を誇っていた長者屋敷は、
跡形もなく焼け落ち、一族も皆滅んだ…。(「 茨城のちょっと面白い昔話」など)
あくまでも伝説で、真偽のほどは不明だが、
なんとも悲しい話であるが、
こうした時代を経て、やがて、武家政権の時代が来る。
そんな物語が地元にあったということを忘れないようにしたい。
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