今年は、笠間藩主牧野貞喜没後二百年の年である。
天神社の社名額は、その牧野貞喜が天明四年八月に、自ら大きなケヤキ材に「天満宮」と揮毫して、天神社に奉納したものである。拝殿内の祭壇前、中央に掲げられてあり、笠間市指定文化財になっている。
その社名額の隣に「尊栄」という板額があるが、貞喜の嫡男、牧野貞為が八歳の時に書いたものだと宮司さんから教えていただいた。書の上達を祈願して奉納されたものであろうか。
ほかに、明治時代になって奉納された扁額は、新古今和歌集にある菅原道真公の歌、「海ならずたたへる水の底までも清き心は月ぞてらさむ」と篆書で揮毫されている。天神社の扁額の数々をつくづくと見入ってしまった。



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